包装フィルムの基礎知識
袋のおはなし
熱処理とは
一般の微生物の増殖は15〜38℃、好熱菌でも82℃〜93℃です。
その為、食品を100℃で加熱すれば、微生物の大半を死滅させることが出来ます。
100℃までの加熱殺菌を「ボイル」といいます。
しかし、一部の胞子などは100℃30分でも死滅しないため、加熱の温度を上げることなどにより、殺菌効果を高める方法がとられます。
「レトルト」は「レトルト」と呼ばれる圧力釜の中で加圧し、100℃を超える温度で殺菌を行うことです。
レトルト殺菌した商品は無菌状態に出来るので常温流通が可能となります。
【ボイル殺菌】 ――― 100℃まで殺菌
加熱殺菌の中で、最も簡単な方法がボイル殺菌(湯殺菌)です。
食品をかごに入れ、一定温度の熱水槽(沸騰状態)の中に一定時間浸すという方法がバッチ方式。
熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式があります。
容器包装内に空気が残っていると、熱伝導が悪く、浮き上がって殺菌効果が低下するので、脱気包装もしくは真空包装されます。
【セミレトルト殺菌】 ――― 105℃〜115℃の殺菌
120℃以上の高温では、おいしさを構成するタンパク質の変性や退色などが起こることがあるため、レトルトよりも温度を下げた「セミレトルト」が、風味を保ったままで長期保存を可能にする殺菌方法として注目されています。
【レトルト殺菌】 ――― 120℃の殺菌
一般的に120℃、30〜60分で行われます。
「レトルト食品」という場合は、中心温度120℃で4分間の加熱が最低条件となっています。
【ハイレトルト殺菌】 ――― 130℃以上の殺菌
微生物の殺菌では、温度を上げると殺菌時間は飛躍的に短くなります。
加熱時間を短時間にすることで、内容物の劣化を抑えることが出来ます。ハイレトルトの際の高温(130℃以上)に耐えうるフィルムというのは限られており、特殊なフィルムが必要です。